何か悔しい思いをしてその仕返しをする。スポーツで以前に負けた相手を打ち負かす。そんな時に使う意味の言葉ですが果たすのは「雪辱」「屈辱」?! 響きが似ているので迷う方もいるかもしれません。
ちょっとした豆知識と例文もありますのでよろしければご一読ください。
正しい使い方は雪辱を果たす
各サイトの意味は以下の通りになります。
せつ‐じょく【雪辱】
[名](スル)恥をすすぐこと。特に、競技などで負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すこと。「―を遂げる」「次の試合で必ず―する」「―戦」
引用元:https://dictionary.goo.ne.jp/
[補説]文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「雪辱を果たす」と「雪辱を晴らす」について、どちらの言い方を使うか尋ねたところ、次のような結果が出た。
調査 | 平成22年度 | 令和元年度 |
---|---|---|
〇雪辱を果たす | 43.3% | 38.3% |
×雪辱を晴らす | 43.9% | 50.5% |
本来は「雪辱を果たす」にもかかわらず、時代が経過するにつれて誤用の割合が上がっていくというのはなかなか面白いと思います。
昔は聞きなれなかった言葉もこうして一般化していくのかもしれません。
では雪辱を晴らす とは?
晴らすのは「屈辱」の方になります。
「雪辱を果たす」と「屈辱を晴らす」を誤用した結果「雪辱を晴らす」や「屈辱を果たす」が生まれてしまったと考えられます。
二つとも響きも字面も似ているので文中や会話の間に出てきても気づかないことが多いと思います。
ちなみに「雪辱」とは、「辱め(はずかしめ)」を「雪ぐ(そそぐ)」、つまりは「洗い流す」という意味です。「屈辱」は恥ずかしい思いをさせられる意味です。
そう考えると「雪辱を晴らす」は辱めを洗い流したことを晴らすので、恥を受け入れてしまっている意味になってしまいますね。
英語 では?
- get one’s revenge
- revenge a defeat
「恨みを晴らす」「復習する」の意味でこの二種類があります。
例文
マサシ君に掘られたタケシ君は、マサシ君を掘り返すことで雪辱を果たした。しかし、タケシ君は彼女にそのことを知られてしまいフラれてしまった。
いま、タケシ君の心は虚無感に支配されていた。